出光興産 原油価格下落で２年連続の最終赤字

石油元売り大手の「出光興産」は、原油価格の下落によって石油製品などの在庫の価値が目減りしたことから、ことし３月期のグループ全体の最終損益が２年連続の赤字となりました。

出光興産が１０日に発表したことし３月期のグループ全体の決算によりますと、売り上げは３兆５７０２億円で、前の年の同じ時期より２２％減りました。また、最終損益は３５９億円の赤字で、２年連続の赤字となりました。
これは、いずれも原油価格の下落の影響で、ガソリンなどの石油製品の販売価格を引き下げたことや、原油と石油製品の在庫の価値が目減りし１２２１億円の損失を計上したこと、さらに海外に持っている油田など資源開発の権益の価値を見直したことに伴い３４２億円の損失を計上したことによるものです。
出光興産の鷺島敏明経理部長は、記者会見で「非常に厳しい決算となった。原油価格はまだ不安定な状況が続いているが、今年度末に向けて回復に向かうとみている」と述べました。
石油元売り各社の間では、１１日以降にことし３月期の決算発表を予定している最大手のＪＸホールディングスやコスモエネルギーホールディングスも、原油価格の下落で最終損益が赤字になる見通しです。